「黄色潜水艦」遊びジャーナル(仮元祖1)

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漢文てのぁ殆ど現代文リキなのでR-受験用例題の試みと解説・解答1

ドリス・デイの「ケセラセラ」つき

まずはわが作成モンダイをどーぞ。
(難易度トシテハ偏差65程度かのー。。時間の目安は25分)

●問題
次の漢文を読んであとの問いに答えよ。

孫子荊、[(1)年少時欲隠]、語王武子、[(2)当枕石漱流]、誤曰漱石枕流。王曰、[(3)流可枕、石可漱乎]。孫曰、[(4)所以]枕流、欲洗其耳、所以漱石、欲礪其歯。
(劉義慶『世説新語』排調編より)

注 礪(れい)=磨く。/孫子荊、王武子はそれぞれ人の名前。

問一 [ ]部(1)~(4)を全て平仮名で書き下し、それぞれ口語訳せよ。
問二 本文に基づく故事成語を記し、その意味を述べよ。
問三 この故事からペンネームをつけた作家名をあげ、作品名を三点記せ。
問四 全文の趣旨をふまえて、「欲洗其耳・欲礪其歯」を、「其」を明らかにして分かりやすく説明せよ。

模範解答はページの最下部として、

まずどー対応してゆくかを順番に。

漢文を読むときは、まず構成が英語と同じであるコトを承知して、

以下のよーに現代文として追ってゆく。

孫子荊は年少の時に欲した隠を、語った王武子に、当てる(ないしは当に)枕石漱流(すべし)、誤りて曰く漱石枕流と。王曰く、流れは可枕すこと、石は可漱ぐこと、や? または、か? 孫曰く、ゆえん(と読めなければ、ところもって)まくら流れ、欲する洗うその耳を、・・欲する磨くその歯を。

以上は、

たとえーば、自動翻訳ソフトの「手抜き」のよーなもんで、

ここで、漢文の基礎知識をベースに「場面映像」を浮かべつつ、

日本語に、文脈に留意して構成する。

孫子荊は、年齢が「少=若い」時に、「隠遁」することを(ないしは「隠者」となる、「世を隠れる」ことを)欲して・望んで・しようとして、王武子に向かって・対して、枕石漱流(を望む)と言葉を当てる(と言う)べきところを、間違って漱石枕流(したい)と言っ(てしまっ)た。そこで王は水の流れを枕にすることが「可=できる」「か?」石で口を磨くことはできる「か? いやできない」、と言った。すると孫は、川の流れを枕にする「所以=理由」は「その我が耳」を洗いたい(おうとする)のであり、石で口を漱ぐ理由は「その我が歯」を磨きたいからである、と言った。

ここまでが、漢文基礎+現代文構成力による。

問一は、その漢文基礎で解ける。

問二は、問題文から二つ、とその書き下しから取り出せるが、

その意味は現代文の四字熟語知識である。

この知識がなかった場合は、

あきらめないでスジを考える。

つまり、孫は明らかに言い間違えた=「誤りて曰く」とある。

にもかかわらず、

言い間違えを認めないで、

あえて「間違いではないという解釈」を主張・展開した。

(実は、一般に言われている意味よりも、深い頓智の趣旨があるのだが、それは別の展開として)ここでは、間違いを認めないで理屈をこじつける、程度が読めればヨイ。

問三は日本近代文学史知識。作家名と作品名三つくらいは常識のうち。

文や教育学部系統などは、文学主義・派や関連作家の知識を問うケースもある。

てーこって、


ここまでは、以上によって75-80%の得点を取るべし。

問題は問の四でアルが、


「其の」の指示するところを全文の趣旨からとすれば、

単に「自分自身の汚れた耳・歯」程度では10%程度の得点のみ。

隠遁・隠者・俗世から離れる、との動機から、

ついで、耳=聞く、口=食べる、機能から、

それらを洗い、磨くとはどういうことかを考慮して述べる。

これも実は古文ともどもの解釈の「定番概念」(つまり基礎)の一つなのでアル。

ただポイントは「耳=聞く、口=食べる、機能」を、

日常の所作・動作として思いつくか、関連付けうるかでアル。

・・・てなこって、


ハイレベルの入試問題っちゅーのぁ、

基礎知識をベースとして、古漢ともども、

むしろ日常生活思考・観察・言語リキを問うのがメインで、

そこに配点比重が置かれるモノと心得るベシ。。

今回は、ちとマジメに述べたが、

これもまた関連「遊び」のきっかけであってサ、

本末ってーのは、いっしょくたの、

常に基本は、そこにそーして生きている場面ナノデRRR。

とゆーことで、


以上の日常を心がけておれば、

国・社・英と一部理科は、ケセラセラとなるはずでせう。

では、解答例の前に、
ヒッチコック「知りすぎ(てい)た男」の場面中の一曲。
(英語歌詞については、わが英訳手順と批評と、漱石の精神状態分析と・・などなどが相まって、後日マタ展開する予定でR。)


注・じゅけんせーは、解答例はきちんと自分で解いてみてから見るべし。よって、ずーーーーーと間をアケる。








まだまだ・・






もーちょい・・








【解答例】
問一 (1)としわかきときいんせんと(するを)ほっし=若いときに隠遁したいと思い(しようとして) (2)ちんせきそうりゅうを(と)あつるに。(又は「まさに・・・すべきを」)=石を枕に川の流れで口を漱ぎと言うべき(はず)なのに(ところを) (3)ながれにまくらすべくいしにくちすすぐべけんや=川の流れを枕にすることや石で口を洗うことなぞできるわけはない (4)ゆえん=理由・わけ
問二 漱石枕流(『枕流漱石』『石に漱ぎ流れに枕す』も可)=負け惜しみの強いこと。ほか=ひどく無理矢理なこじつけのこと。屁理屈を並べ負け惜しみの強いことのたとえ。
問三 夏目漱石 作品名は「吾輩は猫である」「坊ちゃん」「草枕」「こころ」「三四郎」「それから」「門」「虞美人草」「夢十夜」「明暗」ほかほか・・
問四 俗世間で聞いた下賎な内容で汚れた耳を清流で洗い流したく、同じく口にした食物で穢れた状態の自分の歯の汚れを固い石で磨き落としたいということ。

配点はオオザッパに、問一は20点・問二は6点・問三は4点・問四は10点で40点満点。